センターチャンネルを使う
マルチチャンネルシステムでは、センターに配置されたサウンドイメージを実現
する方法が 3 通りあります。
• 「ファントムセンター」を生成する(ステレオの場合と同様、左右に等しくサ
ウンドをミックスする)方法: 一般的に使用される方法ですが、聴き手がス
ピーカーの真中に座っているものと想定しています(つまり、自動車内ではあ
り得ないことであり、家庭でも、必ずしも実現できません)。クロスキャンセ
ル効果のため、サウンドの響きはダイレクトスピーカーからのものと同じでは
ありません。
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第 12 章
Dolby Digital Professional の出力ファイルを作成する
• 単独のセンターチャンネルを使用する方法: この方法では、聴き手の位置に
関係なく、安定したセンターイメージを生成できます。(音が強調されすぎた
り、狭く聞こえたりしないように、リバーブを左右のチャンネルに広げること
ができます)。
• 3 つのフロントチャンネルすべてを等しく使用したり、異なる割合で使用した
りする方法: この方法では、空間的な奥行きと幅をさらに細かく制御するこ
とができます。センターフロントチャンネルに信号を追加することでファント
ム(虚像)センターを補強し、右フロントチャンネルと左フロントチャンネル
に信号を広げることで響きを豊かにすることができます。この方法の弱点とし
ては、3 つのスピーカーからのサウンドが、聴き手の位置で同時にブレンドさ
れなかったり、届かなかったりするために、コムフィルタ現象、音色のずれ、
または音響の不鮮明などの副作用が生じる場合があります。これらの副作用を
抑えるために、あらかじめ追加信号を処理し、メインのセンター信号を基準に
空間的な特性、響き、または音像の突出部分を変更しておくことができます。