「前処理」タブの設定
「前処理」のオプションは、エンコード前にオーディオデータに適用されます。
特定の技術的な理由から変更する場合を除き、「圧縮プリセット」以外の設定値
はデフォルトのままにしておいてください。
圧縮プリセット
• 圧縮プリセット: AC-3 フォーマットに組み込まれるダイナミックレンジ処理
モードのいずれか 1 つを指定します。デフォルトの「フィルム標準圧縮」は、
オリジナルのミックスを映画用にエンコードするときに
のみ指定します。ほと
んどの場合は、「なし」を選択してください。
重要:
「圧縮プリセット」設定のいずれかを使用する場合は、「オーディオ」
タブの「ダイアログ正規化」を正しく設定することが不可欠です。「圧縮プリ
セット」設定では、ダイアログの正規化後、オーディオが標準の視聴レベルで
ある 31 dBFS になるものとします。これよりも一貫してレベルが大きいと、音
に歪みが生じ、不安定なレベルになります。
メモ: Dolby Digital Professional 5.1 チャンネルのサラウンドサウンド DVD を作成
する場合は、「フィルム標準圧縮」を使用します。
一般情報
• デジタルエンファシス解除: 入力オーディオデータがプリエンファサイズさ
れているかどうか、また、エンコード前にエンファシスを解除する必要がある
かどうかを指定します。
165
第 12 章
Dolby Digital Professional の出力ファイルを作成する
LFE チャンネル
• ローパスフィルタ: このチェックボックスを選択すると、120 Hz ローパスフィ
ルタが重低音エフェクト(LFE)チャンネルに適用されます。LFE の入力に送ら
れたデジタル信号に 120 Hz を超える情報が含まれていない場合は、このフィ
ルタをオフにしてください。
フル帯域幅チャンネル
• ローパスフィルタ: このチェックボックスを選択すると、ローパスフィルタ
がオンになり、主要入力チャンネルに適用される使用可能なオーディオ帯域幅
の近くにカットオフが規定されます。主要入力チャンネルに送られたデジタル
信号に、使用可能なオーディオ帯域幅を超える情報が含まれていない場合は、
このフィルタをオフにできます。「Compressor」は、使用可能な帯域幅を自動
的に決定します。
• DC フィルタ: このチェックボックスを選択すると、すべての入力チャンネル
について DC ハイパスフィルタがオンになり、DC オフセットを簡単に除去する
ことができます。ほとんどのミックスオーディオ素材では、すでに DC オフセッ
トが除去されています。
サラウンドチャンネル
• 90ºフェーズシフト: このチェックボックスを選択すると、マルチチャンネル
AC-3 ストリームが生成されます。このストリームを外部 2 チャンネルデコーダ
でダウンミックスすると、純正 Dolby サラウンド互換の出力を作成できます。
• 3 dB 減衰: このチェックボックスを選択すると、マルチチャンネルの映画サ
ウンドトラックを家庭用ホームシアター方式に転用する際に、サラウンドチャ
ンネルに 3 dB カットオフが適用されます。映画館のサラウンドチャンネルは、
映画館独特のアンプゲインとして、フロントチャンネルに比べて 3 dB「ホット
に」(高く)ミックスされています。