Compressor 4 - ビデオの「フィルタ」タブ

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ビデオの「フィルタ」タブ

「Compressor」には、以下のビデオフィルタが用意されています。

BlackWhite を元に戻す
黒に近い色を純粋な黒に、白に近い色を純粋な白に変換します。イメージ中のほ
かの色には、影響しません。このフィルタを使用すると、イメージ中の白黒の領
域(ルミナンス)の圧縮率を高めることができます。たとえば、バックグラウン
ドなどに有効です。2 本のスライダを使って、白と黒それぞれについて 0 〜 100
の範囲で設定することができます。色空間の、このフィルタとの関連の詳細につ
いては、「

色空間

」を参照してください。

• 黒: 黒について 0 〜 100 の範囲で値を設定します。

• 白: 白について 0 〜 100 の範囲で値を設定します。

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設定にフィルタを追加する

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明るさとコントラスト
出力メディアファイルの全体的な色調や輝度の値を変更し、明るくしたり暗くし
たりします。QuickTime コーデックの中にはビデオファイルが暗くなるものがあ
りますが、このフィルタを使うと、それを補正することができます。-100 〜 100
のどの値でも選べますが、極端な設定は避け、ぼんやりした品質にならないよう
にします。

• 明るさ: –100 〜 100 の範囲で明るさを任意の数値に調整します。

• コントラスト: –100 〜 100 の範囲でコントラストを任意の数値に調整します。

カラー補正(ハイライト)、カラー補正(中間色調)、カラー補正(影)
選択したフィルタに合わせて、不正確なホワイトバランスを補正し、クリップの
明るい領域、中間の領域、暗い領域にカラー効果を作ります。赤、緑、青の値
を、それぞれ–100 〜 100 の間で調整します。

• 赤: 赤の値を –100 〜 100 の範囲で調整します。

• 緑: 緑の値を –100 〜 100 の範囲で調整します。

• 青: 青の値を –100 〜 100 の範囲で調整します。

デインターレース
インターレースの影響を除去します。

デインターレース処理をする場合は、このデインターレースフィルタ(従来の
フィルタ)ではなく、フレームコントロールを使用することをお勧めします。そ
の方が、はるかに高い品質を得ることができます。詳細については、「

フレーム

コントロールを使って作業する

」を参照してください。

デインターレース処理の一般情報については、「

デインターレース処理につい

」を参照してください。

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「アルゴリズム」ポップアップメニューには以下の(従来の)デインターレース
処理方法が表示されます。

• アルゴリズム: 4 つのデインターレース処理方法から 1 つ選択します。

• ブラー: 奇数/偶数フィールドをブレンドします。この方式は時間的デー

タを重視し、イメージの動きをより保ちます。しかし各フィールドはブレン
ドされてできていますので、再生を一時停止した場合の画質が低下します。

• 偶数: 偶数フィールドを残して奇数フィールドを取り除き、動きがぼやけ

ないようにします。

• 奇数: 奇数フィールドを残して偶数フィールドを取り除き、動きがぼやけ

ないようにします。

• シャープ: 両方のフィールドを使い、エッジがシャープになるようにしま

す。この方式は空間的データを重視します。

フェードイン/アウト
クリップの最初と最後をディゾルブから徐々にマットカラーに変わるようにしま
す。

• フェードイン時間: フェードの継続時間を設定します。

• フェードアウト時間: フェードの継続時間を設定します。

• フェードインの不透明度: クリップのビデオの最初のフレームの不透明度を

設定します。値を 0.0 にすると、クリップのビデオのマットカラーが完全に表
示されます。値を 0.5 にすると、クリップのビデオのマットカラーは 50%表示
されます。

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• フェードアウトの不透明度: クリップのビデオの最後のフレームの不透明度

を設定します。値を 0.0 にすると、クリップのビデオのマットカラーが完全に
表示されます。値を 0.5 にすると、クリップのビデオのマットカラーは 50%表
示されます。

• フェードのカラー: マットカラーを設定します。クリックするとカラーピッ

カーが表示されるため、ここからフェードする色を選択できます。(フェード
インする色と、フェードアウトする色は同じである必要があります。)

ガンマ補正
メディアファイルのガンマ量を変更して、モニタに表示される画像全体の明度を
調整します。イメージを色あせさせることなく、露光不足のクリップからディ
テールを取り除いたり、露光過多のクリップの彩度を適当なレベルにまで下げた
りするのに、このフィルタを使うことができます。オペレーティングシステムの
異なるコンピュータでは、モニタの設定も異なっています。クロスプラットフォー
ムで画像を表示する場合、どんなプラットフォームででもイメージの質がよくな
るよう、ガンマ補正を行います。

• ガンマ: 0.1 〜 4.0 の範囲で、ガンマを設定します。

レターボックス
イメージを拡大または縮小して、横長レターボックスバーの枠の中に配置しま
す。

• タイプ: このポップアップメニューを使って、レターボックスのタイプを選

択します。「拡大/縮小」では、ビデオの縦方向を縮めて、レターボックスの
バーの間に収まるようにします。「マット」では、レターボックスのバーが入
る範囲のビデオがクロップされます。

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• 位置: このポップアップメニューを使って、ビデオの配置を選択します。「中

央」では、中央にビデオが位置し、上下にレターボックスバーが表示されま
す。「下」では、画面の下にビデオが位置し、その上にレターボックスバーが
1 本だけ表示されます。「上」では、画面の上にビデオが位置し、その下にレ
ターボックスバーが 1 本だけ表示されます。

• 出力: このポップアップメニューを使用して、レターボックスに使う特定の

アスペクト比を選択できます。それぞれの設定の末尾には、その設定での縦に
対する横の比率が表示されます。たとえば、「アカデミー」設定では、アスペ
クト比が「1.85:1」と表示されます。これは、画像の横が縦の 1.85 倍になるこ
とを示しています。「手動」設定を選択すると、「手動」スライダを使用して
レターボックスのアスペクト比を手動で設定できます。

• 「手動」スライダ: 「出力」ポップアップメニューで「手動」が選択されて

いる場合に使用します。レターボックスのアスペクト比を手動で設定できま
す。「出力」ポップアップメニューで「手動」が選択されていない場合、「手
動」スライダの設定は無効です。

• 「背景」カラーウェル: レターボックスの色を設定します。このボックスを

クリックし、カラーピッカーで背景色を選びます。

ノイズ除去
イメージが含む、ノイズによるランダムな斑点を減少させます。コーデックの中
にはビデオファイルにノイズを生じさせてしまうものがありますが、これを「ノ
イズ除去」フィルタで緩和することができます。細かすぎるディテールを減らす
ことで、画像の品質を向上させ、素材に対してより効率的な空間的圧縮を行うこ
とができます。

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ノイズリダクションフィルタは、コントラストの低い部分をにじませ、一方でコ
ントラストの高い境界部分の鮮明さを保持してくれます。これは、

アダプティブ

ノイズリダクションと呼ばれるものです。その効果は人間の目には知覚されませ
んが、ソースメディアの最終的な圧縮結果をよりよいものにします。ライブビデ
オにこのフィルタを使うことは、特に重要です。

• 適用先: このポップアップメニューを使用して、ノイズを除去するチャンネ

ルを選択します。デフォルトは「すべてのチャンネル」で、アルファチャンネ
ルを含むすべてのチャンネルでノイズをフィルタ除去します。「クロマチャン
ネル」も選択できます。この場合、AYUV 色空間(「Final Cut Pro」の用語では
R408)の 2 つのクロマチャンネル、U および V のみで、ノイズをフィルタ除去
します。

• 繰り返し: このポップアップメニューで、イメージのノイズを滑らかにしま

す。選択したアルゴリズムをソースメディアファイルに何回適用したいか、選
んでください(1 回〜 4 回)。次の処理は常に、前の処理で変更されたイメー
ジから開始します。繰り返しが多いほど、イメージはぼやけます。

• アルゴリズム: 以下のアルゴリズムのうちから 1 つを、「アルゴリズム」ポッ

プアップメニューで選びます;「平均」では、各ピクセルの色が、その色値自
体も含めた周囲のピクセルの色の平均値によって変更されます。「置き換え」
では、各ピクセルの色が周囲のピクセルの色の平均値によって変更されます
が、自分自身の色は平均に含まれません。「連結」では、各ピクセルの色が、
それ自体も含めた周囲のピクセルの色の加重平均値によって変更されます。そ
のピクセル自体の色値により大きな重みが与えられます。

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エッジをシャープにする
被写体のエッジ(縁)周辺のイメージコントラストを上げます。コーデックには
ビデオイメージをぼやけさせるものがあります。このフィルタは、ソース素材の
ぼやけやノイズ除去によるにじみ効果を抑え、イメージのシャープネスを上げて
はっきり見えやすくします。極端な設定で使うと、出力メディアファイルでは粒
だって見えることがあります。0 〜 100 の範囲で設定します。

• 適応量: 0.0 〜 100.0 の範囲で、シャープネスを設定します。

テキストオーバーレイ
イメージにテキストをスーパーインポーズします。関連する文字情報を出力メ
ディアファイルに貼り付けるのに、便利なツールです。

以下のコントロールを使って、テキストの位置を決め、色やフォントを選び、不
透明度を設定します。

• 位置: イメージクリップ中での、テキストの位置を決定します。13 種類の位

置から 1 つを選択します。たとえば、「中央」、「左下」、「左下 - タイトル
セーフ」などがあります。

• アルファ: このスライダで、テキストの不透明度を設定します。0 〜 1 の範囲

から選びます。0 ではテキストが完全に透明になり、1 では完全に不透明にな
ります。

• オーバーレイテキスト: ここにテキストを入力します。

• テキストのカラー: このボックスをクリックし、カラーピッカーでテキスト

の色を選びます。

• フォントを選択: このボタンをクリックすると、フォントを選択するパレッ

トが開き、フォント、スタイル、サイズを選択できます。

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タイムコードジェネレータ
クリップのタイムコードテキストをイメージにスーパーインポーズします。ま
た、ラベルをタイムコードテキストに追加できます。

• 位置: イメージクリップ中での、タイムコードテキストの位置を決定します。

13 種類の位置から 1 つを選択します。たとえば、「中央」、「左下」、「左
下 - タイトルセーフ」などがあります。

• アルファ: このスライダで、タイムコードテキストの不透明度を設定します。

0 〜 1 の範囲から選びます。0 ではテキストが完全に透明になり、1 では完全
に不透明になります。

• ラベル: タイムコード値の左に表示するテキストをここに入力します。

• 「タイムコード 00:00:00:00 で開始」チェックボックス: タイムコードの開始

を 00:00:00:00 にする場合は、このチェックボックスを選択します。選択を解除
すると、クリップのタイムコードが使われます。

• テキストのカラー: カラーピッカーでタイムコードテキストの色を選択する

には、このボックスをクリックします。

• フォントを選択: このボタンをクリックすると、フォントを選択するパレッ

トが開き、フォント、スタイル、サイズを選択できます。

ウォーターマーク
イメージにウォーターマーク(透かし)をスーパーインポーズします。出力メ
ディアファイルにロゴを貼り付けたりするのに、便利なツールです。ウォーター
マークフィルタは、出力メディアファイルのウォーターマークとして、静止画像
とムービーのどちらでも適用できます。

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以下のポップアップメニュー、フィールド、スライダを使ってウォーターマーク
の位置とサイズを決め、不透明度を設定します。

• 「位置」ポップアップメニュー: このポップアップメニューを使用して、イ

メージクリップにウォーターマークのイメージを配置することができます。13
種類の位置から 1 つを選択します。たとえば、「中央」、「左下」、「左下 -
タイトルセーフ」などがあります。

• 拡大/縮小率: このスライダで、ウォーターマークのイメージのサイズを設

定します。

• アルファ: このスライダで、ウォーターマークのイメージの不透明度を設定

します。0 〜 1 の範囲から選びます。0 ではウォーターマークのイメージが完
全に透明になり、1 では完全に不透明になります。

• 「繰り返し」チェックボックス: クリップをウォーターマークとして選択す

る場合に使います。このチェックボックスで、ウォーターマーククリップを
ループ再生できます。このチェックボックスを選択しない場合、ウォーター
マーククリップは終了まで再生されてから表示されなくなります。

• 「選択」ボタン: このボタンをクリックすると、ファイル選択のダイアログ

が開きます。保存されているウォーターマークのムービーや静止画像を選択す
ることができます。