Compressor 4 - 「ビデオフォーマット」タブ

background image

「ビデオフォーマット」タブ

「ビデオフォーマット」タブでは、ビデオフォーマット、フレームレート、アス
ペクト比、優先フィールド、およびタイムコードに関連する設定を行います。こ
れらのうち、タイムコード設定を除く設定は、エンコードするビデオに基づいて
自動的に構成するよう設定できます。「ビデオフォーマット」タブには以下の項
目があります。

• 「ビデオフォーマット」ポップアップメニュー: 出力ビデオファイルのフォー

マットを、NTSC、PAL、720p、HD 1440x1080、HD 1920x1080、または 640 幅
フォーマットのさまざまなバージョンのいずれかから選択します。これらのう
ち実際に使用できるフォーマットは、「ストリームの用途」設定によって決ま
ります。「ビデオフォーマット」設定を選択すると、このタブのほかの設定に
はデフォルト値が入力されます。また、選択肢がない設定は淡色表示になりま
す。「NTSC」項目と「PAL」項目は、NTSC および PAL TV 規格の標準精細度設
定を参照します。DVD 業界の主な市場のうち、北米および日本では NTSC が、
欧州全域では PAL が使用されています。

221

18

MPEG-2 出力ファイルを作成する

background image

出力ファイルのビデオフォーマットは、通常ソースファイルと同じである必要
があります。従来の NTSC または PAL 規格のビデオカメラで録画されたインター
レースビデオについては、このポップアップメニューから「NTSC」か「PAL」
を選択します。ソース・メディア・ファイルのビデオフォーマットが何か分か
らない場合は、「自動」を選択します。この設定にするとソースメディアク
リップのフレームレートが解析され、正しいビデオフォーマットが決定されま
す。

ビデオフォーマットの自動ボタンをクリックすると、GOP のサイズが 12 また
は 15(ビデオが PAL と NTSC のどちらかによって決まる)に制限され、クロー
ズド IBBP パターンになります。「自動」を選択すると、このタブのフレーム
レート設定や「GOP」タブの GOP 設定は変更できません。GOP の詳細について
は、「

GOP とフレームタイプについて理解する

」を参照してください。

Video Format Automatic
button

メモ: MPEG-2 では、固定サイズのビデオフレーム(「

MPEG-2 のビデオフレー

ムサイズとフォーマット

」を参照してください)が使われるため、

「Compressor」の「ジオメトリ」パネルのフィールドには、選択したビデオ
フォーマットに対応した出力フレームサイズが入力されます。

選択したビデオフォーマットに応じて、フレームサイズとフレームレート、ア
スペクト比、優先フィールドなどの関連特性のオプションが決まります。

メモ: 標準精細度(SD)による通常のフレームサイズは、NTSC デジタルビデオ
では 720×486 です。ソースファイルのトランスコードに NTSC 設定を使用した
い場合、「Compressor」は必要な MPEG-2 フレームサイズが 720×480 になるよ
うにファイルをクロップします。ただし、設定でクロップの属性を指定してい
る場合は、その設定に基づいてクロップが行われます。それ以外の場合、
「Compressor」は、ピクセル単位で上 2 列、下4 列をクロップします。このク
ロップ属性は一時的なもので、設定には保存されません。ジョブの設定をダブ
ルクリックすると、「プレビュー」ウインドウが開き、クロップのエフェクト
を確認できます。

222

18

MPEG-2 出力ファイルを作成する

background image

• 「フレームレート」ポップアップメニュー: MPEG-2 出力ファイルの想定フ

レームレートを選択します。フィルム、およびビデオカメラの一部の機種で
は、24 fps(または NTSC の変形である 23.98 fps)のプログレッシブ素材が作成
されます。「24p」という用語は、24 fps のフレームレートを持つビデオを意
味しますが、通常、フレームレートは 23.976 fps(繰り上げて 23.98 fps)です。
NTSC 対応のテレビで DVD 再生できるようにこれらのソースをトランスコード
するには、23.98 設定を選択します。詳細については、「

24p(23.98p)につい

」を参照してください。

メモ: ここでは多くの場合、NTSC フレームレートを 29.97 fps として記載してい
ます。同じように、NTSC バージョンの 24 fps は 23.98 fps です。これらの数値
はどちらも、真の値 30/1.001、24/1.001 の近似値で、小数点以下まで正確に示
すと 29.97003、23.97602 になります。これらの数値を見ると、29.97 は 30/1.001
にかなり近い近似値です(100,000 秒間に 3 フレーム違うだけです)が、23.98
よりは 23.976 の方が正確です。実際は、「Compressor」のヘルプと
「Compressor」のユーザインターフェイスでは省略形として 23.98 を使います
が、「Compressor」内部や、QuickTime でもほとんどの場合には、23.976 以上
の精度が使われています。このトピックの詳細については、「

24p(23.98p)

について

」を参照してください。

• 「アスペクト比」ポップアップメニュー: ビデオファイルのアスペクト比を

選択します。デフォルトは 4:3 です。アナモフィックの DVD にはもう一方の
16:9 が使用されます。アスペクト比は、テレビ画面上でピクチャが表示される
方法を決定します。16:9(ワイドスクリーン)DVD を一般的な 4:3 テレビで表
示すると、レターボックス形式(画面の上下に黒いバーが現れる)で表示され
ます。ただし、ワイドスクリーン DVD を 16:9(ワイドスクリーン)テレビで
表示すると、画面全体が使用されます。

223

18

MPEG-2 出力ファイルを作成する

background image

• 「優先フィールド」ポップアップメニュー: インターレースソースメディア

ファイルの上側のフィールドまたは下側フィールドを、出力 MPEG-2 ビデオファ
イルでの優先(第 1)フィールドとして選択します。「自動」(デフォルト)
を選択した場合、「Compressor」はソースビデオを解析し、優先フィールドが
自動的に決定します。DV ソースビデオでは下側のフィールドが優先されます。
この設定は、720p ビデオフォーマットには関係ありません。このフォーマッ
トはプログレッシブにする必要があるためです。

メモ: インターレースビデオでは上側のフィールドは上フィールドまたは奇数
フィールドとも呼ばれ、下側のフィールドは

下フィールドまたは偶数フィール

ドとも呼ばれます。

• 「開始タイムコードを選択」チェックボックスおよびフィールド: このチェッ

クボックスの選択を解除すると(デフォルト)、「Compressor」がソース・メ
ディア・ファイルの既存のタイムコードを出力メディアファイルに埋め込みま
す。このチェックボックスを選択すると、ソースメディアファイルの既存のタ
イムコードの上書きが可能になり、タイムコードフィールドに新しいタイム
コードを入力できるようになります。チェックボックスを選択していない場
合、このフィールドは淡色で表示されます。フィールドが空白のままだと、出
力メディアファイルはデフォルトのタイムコード 00:00:00:00 を使用します。

• 「ドロップフレーム」チェックボックス: すでに「開始タイムコードを選択」

チェックボックスが選択され、タイムコードを(ノンドロップフレーム形式で
はなく)ドロップフレーム形式にしたい場合は、このチェックボックスも選択
する必要があります。

タイムコードは、ビデオシーケンス内のフレームにラベル付けするためのナン
バリングシステムです。30 fps ビデオに使用するタイプのタイムコードは、フ
レームカウンタを持ちます。このカウンタは 0 〜 29 までカウントすると、秒
カウンタを 1 増やしてから 0 に戻ります。このタイプのタイプコードはノンド
ロップフレームタイムコードとも呼ばれ、高品質 30 fps ビデオの経過時間を正
確に計測します。ただし、NTSC のフレームレートは 29.97 fps なので、NTSC で
の経過時間を正確に計測するために、

ドロップフレームタイムコードが定義さ

れています。ドロップフレームタイムコードは、1 分に 1 度、秒から分の位に
繰り上がるときにフレーム番号 0 と 1 をスキップします。ただし 10 分目には
スキップしません。たとえば、ドロップフレームタイムコードでは、01:08:59;29
の次に、タイムコード 01:09:00;00 と 01:09:00;01 をスキップして 01:09:00;02 が来
ます。

224

18

MPEG-2 出力ファイルを作成する

background image

メモ: ドロップフレームタイムコードは、NTSC ビデオを使用している場合にの
み適用されます。